今期最後のコンサートは、ゲルギエフのマリインスキー歌劇場。チャイコフスキーの悲愴で今年を締めくくります。
ワレリー・ゲルギエフは爪楊枝のような短い指揮棒を人差し指と親指でつまみ、両手の指を使ってオーケストラ全体をビブラートさせるような特徴的な指揮が有名ですが(我が家ではそれを真似するのが流行っています)、さらに「息」を使って指揮をしていることがわかりました。チャイコフスキー交響曲6番「悲愴」で、スー、ハー、と客席にも息の音が聞こえます。もしライブ録音でもやっていようものならNGですが、それだけ熱が入っているということで、ステージと観客が一体になって興奮する感覚を味わうことができました。第3楽章の有名な行進の部分をロシアオケがやるといつも背中がゾクゾクします。ドイツのうまいオケがやると外人が演歌を唱っているような感じがするのですが、マリインスキー歌劇場とサンクトペテルブルク管弦楽団だけは違います。年末を素晴らしいロシアオケの公演で締めくくることができました。